ポイズン
これくらい、何のその。

ドクリと、首筋から何かを入れられたのがわかった。

それは徐々に、まるで浸食して行く。

髪の1本1本の毛先から、指先、爪先へ。

「うっ…!」

首筋が焼けるように熱い。

心臓がドクドクと激しく、暴れまわっているみたいに動いている。

手足がしびれる。

頭が殴られているみたいにガンガンする。

苦しい…。

口から出てくるのは、熱くて荒い吐息ばかり。

吸うことは困難だった。
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