ただ、会いたくて
薄暗い消毒液の臭いがする廊下を
全速力で走った。
「なおっ・・・・・!!」
激しい音が鳴り響く中に
私の声が高く響いた。
横からはお母さんの声。
私を揺さぶる手、でも
チュウブをたくさん繋がれた
直人の体と、
大きな痣をみたら、瞬きすら
忘れてしまった。
何度も、機械音が繰り返して
私を呼んでるかのように
直人を包み込んでいた。
私は走る、また飛び出して、
だから、私は、弱いんだ。