遠い記憶


私は中野くんと別れると真っ直ぐ家に帰った。


机の上に置いてある写真の中の直哉が微笑んでいる。


……直哉。
どうして、こうなったんだろうね。


直哉との出会いも、中野くんと同じようにナンパ男の撃退だった。


優しい笑顔を向けてくれた直哉に惚れて……直哉も私のこと好きでいてくれて。


目を瞑ると大粒の涙が溢れてしまいそうだった。


…あれは三年前。


< 10 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop