遠い記憶
それからと言うもの…ずっと人の気配を感じた。
さすがに直哉も気づいたみたいで…
「くそ…っ
誰だよ、俺らに付いてくる奴…」
「……」
さすがに怖くなった。
誰かも何の目的かもわからない。
ただ、人の影を感じる。
…それが何より怖かった。
「美鈴…」
そんな不安を察したかの様に、直哉は優しく、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「直哉…」
「大丈夫だよ…
なにがあっても、俺らはずっと一緒だ。」
「…うん。」
あの時、ちゃんと親に相談するべきだったんだと思う。
でも私たちは不確かな事で親に迷惑なんかかけたくなくて。
二人の力だけでどうにかなる。
そう考えていたんだ…