遠い記憶


3月9日。
卒業を前日に控えた日に
私のケータイが鳴った。


この着信音!
直哉だ!


私は直哉からの電話が嬉しくて、飛びつくように電話に出た。


「もしもし、直哉?」


『美鈴ちゃん!?』


声の主は直哉じゃなかった。


「直哉のお母さん…どうしたんですか?」


直哉のお母さんは電話越しにわかるほど慌てていた。


『美鈴ちゃん…今すぐ今から言う病院に来て!!……直哉が……』


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