遠い記憶


「……一体どういうことなの?
直哉は…まだこの世を彷徨ってる…?」


この世に未練があるとその人の魂はこの世を彷徨い続けると聞いたことはある。


直哉の中の“未練”って?
こうして私の夢に出てくると言うことは、私のことなのだと容易に想像ができた。


「直哉、私は直哉以外の誰も好きになるつもりはないよ、だから安心して成仏……」


『それは違う!』


直哉は私の言葉を遮ると、淡々と語り始めた。


『その逆だよ…俺が言いたいのは。』


…逆…


『……俺はね、お前に新しい恋を見つけてほしい…それを…どうしても伝えたかったんだ。』



新しい恋を…?



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