遠い記憶
「…ん…朝…?」
私が目を覚ますとすでに朝だった。
やはり夢だった。
でも直哉の温もりが残っているような、そんな気がした。
直哉が望んでいること、それは私が幸せになること。
そして直哉が言った運命の人。
その人が中野くんであることはすぐに理解できた。
昨日からずっと頭を掠めて離れない中野くん。
直哉に似ているとは言え、中野くんのことは全くと言っていいくらい知らない。
雰囲気、性格、名前…そして出会い。
綺麗に同じもしくは似ている。
でも中身は知らないことばかりで。
もっと中野くんのことを知りたい。
自然にそう思った。
新しい恋をしよう。
そして、直哉を安心させよう……