それでも大好きなんです
「……私ね」
「うん」
わかってる。
拓哉と何かあったんでしょ?
「優樹が…好きだよ」
「うん」
「私は優樹とずっと一緒にいる」
「うん。ずっと一緒だよ」
夏希ちゃんは俺の腕の中で泣き続けた。
"優樹が好き"
"ずっと一緒にいる"
それは夏希ちゃんにとって、俺に対しての責任感?
本当は拓哉が好きなんでしょ?
こんなに夏希ちゃんを泣かせてるあいつ。
…いや、俺かもしれない。
「優樹ありがとう」
「いえいえ」
「ごめんね」
「いいよ。…はい」
俺は夏希ちゃんにお茶を渡した。