それでも大好きなんです



「夏希、自分の気持ちに素直になってみたら?」



「…私は優樹が好きだもん」



「そっか」



彩子はそれ以上口を開かなかった。


どうして、そんなこと言うの?


私は優樹が好きだもん!


それからの授業は心がモヤモヤして、上の空だった。



「夏希ちゃーん!帰ろー!」



「うん」



私は荷物をもって、優樹のところに走っていった。



「なんか、夏希ちゃん元気ないね?」



「そんなことないよ」



「拓哉がいなかったから?」



…どうして?

どうしてみんな拓哉の話ばっかりするの?






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