それでも大好きなんです
「一年後、帰ってきたら拓哉は私のこと忘れてた。私がどんなに話しかけても無視して…」
「それは…お前が整形したなんて知らなくて」
「莉子だって言っても、誰?って。私悲しかった」
泣きながら話す莉子。
「だけど、私は拓哉を諦められなかった。好きで好きで仕方がなかった」
「……」
「だから、拓哉と同じ高校に行った。だけど、拓哉に好きな人ができた」
「え?」
「知ってるよ。私は誰よりも長く拓哉を見てきたから。拓哉が誰を見ているのかくらい…」
俺は莉子に申し訳ないと思った。
好きなやつを想う気持ちは、俺にだって痛いほどわかる。
「だからね、諦めようと思った。だけど、帰り道に偶然夏希と拓哉を見つけた。すごい嫉妬心でおかしくなりかけた…」
莉子は一言一言ゆっくり話す。