それでも大好きなんです
「俺、優樹から電話が来たんだ。夏希のところに行けって」
それを聞くと、さらに涙が出てきた。
「私、優樹のところに行かなきゃ!」
「ダメ…行かせない」
「…でも!」
「優樹はそんなの望んでない」
「だって…私のせいで」
「また好きな女に同情されて喜ぶ男いるか?」
そう考えると、確かに嫌だと思った。
「夏希、俺と付き合って」
…優樹ごめんね。
私だけ幸せになるなんて気が引けるけど、優樹なら迷わず笑って
"おめでとう"
って言ってくれるような気がした。
「うん」
「夏希好きだ。絶対に離さない」
「うん」