それでも大好きなんです



「ねぇ拓哉?」



「…ん?」



「私を抱いて」



最後なんだから、これくらいのわがままいいよね?



「…え?」



「最後くらい私のわがまま聞いてよ。1日だけ拓哉の彼女でいさせて。」



私がそう言うと、拓哉は静かに切ない目をしてうなずいた。


私たちはその日の夜、1つになった。


拓哉は優しく愛してくれた。


私の名前をたくさん呼んでくれた。


"好きだ" "愛してる"
って言ってくれた。


この幸せな時間が一生続けばいいと思った。





< 28 / 230 >

この作品をシェア

pagetop