それでも大好きなんです



朝起きると隣には拓哉の姿がなかった。



「拓哉?……拓哉!!」



私は拓哉を一生懸命探した。


でも見つからない。



わかっていた。
拓哉がすぐ私の隣からいなくなるって。

でも受け入れられなかった。



「…拓哉、私から離れないで」



私の小さくて細い声は虚しく部屋に響いた。



私は着替えて学校に行った。

教室にはもう拓哉がいた。



「おはよ」



「……」



返事が返ってこない。
涙がでそうになった。


大丈夫…
また一から頑張ればいいんだ。




< 29 / 230 >

この作品をシェア

pagetop