それでも大好きなんです
「莉子らしいよ」
いくら聞きたくなくても、耳に入ってくる拓哉の彼女の名前。
莉子ちゃんは同じクラスで、小さくて可愛らしい子。
男の子から、すごく人気がある。
「あー莉子かぁ。あいつ怖いから、いじめることできないなー」
「だよねー夏希のあれも、莉子が仕掛けたことだし」
え?
あの体育館倉庫のやつ、莉子ちゃんがやったの?
莉子ちゃんが、そんなことするはずないよ…
それにいじめるって…
やっぱり私はいじめられてたんだね。
でもそんなことはどうでもいい。
ねぇ拓哉…
私のこと好きって嘘だったの?
拓哉のなかで私って、そんなに簡単に忘れられる存在だったの?