それでも大好きなんです
でも分かったんだ。
あの子は拓哉が好きだと。
そして、拓哉の好きな人だって。
みんなが歌っている中、あの子は一人でジュースばっかり飲んでいた。
「夏希ちゃん!どうしたの?暗い顔して」
「何でもありません」
素っ気なく答える夏希ちゃん。
「俺の名前覚えてる?」
「…ごめんなさい。聞いてなくて」
やっぱり…
拓哉ばっかり見てたもんな。
「いーよ。俺は優樹」
「優樹くん?」
「あー呼び捨てでいいから!あとタメで話そう」
「うん。わかった」