恋の破片





バスルームから出ると
ソファーには、眠り姫がいた。



きっと、どんな汚れも知らない
純真無垢な美少女。

謙虚で誠実な結衣は、
俺には勿体ないくらいだよ。





愛しいその寝顔は、
ちょっとヤバくなる。


とりあえず、ベッドへと移動させる。

抱き上げた身体は、やけに柔らかい。





一緒にベッドに潜り込むと
起こさないように、優しく抱きしめる。

出来るだけ自分の方へ引き寄せた。





「いつも、ひとりで待たせてごめん。

何も言わないで、
そっとしてくれるとこ、大好きだよ」




多くを語らない俺は、
面と向かっては言えないけど



「結衣、ありがと」


本当はたくさん感謝してるから。


無防備なその寝顔に
柔らかいキスを落とした。






< 10 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop