恋の破片
バスルームから出ると
ソファーには、眠り姫がいた。
きっと、どんな汚れも知らない
純真無垢な美少女。
謙虚で誠実な結衣は、
俺には勿体ないくらいだよ。
愛しいその寝顔は、
ちょっとヤバくなる。
とりあえず、ベッドへと移動させる。
抱き上げた身体は、やけに柔らかい。
一緒にベッドに潜り込むと
起こさないように、優しく抱きしめる。
出来るだけ自分の方へ引き寄せた。
「いつも、ひとりで待たせてごめん。
何も言わないで、
そっとしてくれるとこ、大好きだよ」
多くを語らない俺は、
面と向かっては言えないけど
「結衣、ありがと」
本当はたくさん感謝してるから。
無防備なその寝顔に
柔らかいキスを落とした。