恋の破片
ふと、隣に温かい体温を感じ
ゆっくりと目覚めた。
寝起きのさえない脳で状況を考える。
ーーあぁ、春か
ちょっと考えて、春が帰ってきたことを
思い出した。
腰にまわった腕をそっと抜け出す。
スーツのまま、寝てしまった春は
どこか大人を感じさせる。
しばらく会わない間に
髪も伸びて、更にカッコよくなった。
でも、モゾモゾと寝返りする
その姿は、やっぱり春らしい。
隣にいるだけで、安心する人。
どれだけ長く一緒にいても
同じ空間にいるだけでドキドキする。
柔らかい空気を存分に感じながら
春の寝顔を眺めた。