恋の破片
冷蔵庫のミネラルウォーターを取ると
シチューの鍋を覗き込む。
「うまそ」
後ろから手をまわして引き寄せられる。
「ちょっと待っててね」
更に力強く、抱きしめられて
「好き過ぎて、ヤバいかも」
段々、調子に乗ってきた春。
「結衣」
「ん?」
振り向くと同時に
「んんっ、」
甘いキスをされる。
後ろから、ぎゅって抱きしめられたまま
肩越しにキスされる。
途中、春と目が合うと見たことない、
とびっきりの甘い笑顔だった。
キスの雨が止むと
「マジ、好きなんだけど」
誰に言ってるわけでもなく、呟いた。
甘いキスすぎて、胸がいっぱい。
何もなかったような、いつもの表情で
ソファーに戻っていった。