恋の破片
藍色がくすむ空。
三日月が、てっぺんまで昇る。
先にシャワーを借りた私。
春が入っている間、ソファーで
読みかけのミステリーを読んでいた。
もうすぐ、真犯人が解るのに、
瞼は、重くなる一方。
すぐそこには深い眠りが待っている。
スーッと、闇に陥ちてゆく。
ぎゅっと、温もりを感じるのは
春が隣にいるのかな。
微かな意識のなかで、ぼーっと考える。
更に、ぎゅっと抱きしめられると
その体温に安心し、
もう一度、深い眠りに陥ちてゆく。