キミと一緒に。【完】
床に泣き崩れた紅葉さん。

加菜恵と倉元を連れて病室を出て、階の食堂へと行く。



「何で味方したの?」



「味方したわけじゃないよ?
キツく言っても、紅葉さんの耳に届かないって思っただけだよ」



「同情ってやつか」



「それも違う」



窓際の椅子に腰掛けて、下を見下ろす。

歩道や駐車場を歩く人たちが小さく見える。

それでもみんな、同じように悩みを抱えて。

でも、必死に生きてるんだよね。
< 105 / 430 >

この作品をシェア

pagetop