キミと一緒に。【完】
【9】 願ってる
夏の陽射しが降り注ぐ高校の運動場。
由斗が退院し、今日から部活に復帰した。
しかし、まだリハビリ途中で、1年生を率いて200mトラックをぐるぐると何周もしてる。
木陰に立ち、見守る私たち。
倉元は9月の引退試合にホームランを決めたいらしく、兄貴を独占してずっとバッティング練習中。
「鹿波は出れるの?」
「順調に行けばね。最悪、途中から出るみたい」
リハビリを無茶してないか、かなり心配。