キミと一緒に。【完】
屈んで、デニムのホックを締めてくれた母親が立ち上がり、私の身体を反転させて、肩を押して来る。



「…お母さん?」



「お礼を言っておいで?」



「うん…っ」



「ギュッと、抱き締めて貰っておいで」



「…う、ん…っ…」



「何を泣いてんだか!早く行って、イチャイチャして来なさい!」



親離れ、子離れの瞬間に思えた。

それは何だか寂しくて、涙が出て来た。
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