スミダハイツ~隣人恋愛録~
ミサの胸や太ももは、その先が見えそうで見えない。

絶妙に男心をくすぐるポイントに、良太郎は興奮して鼻の穴が膨らんだ。


が、良太郎は理性でミサから目を逸らす。



「ありえない」


そんなことを考えている自分が一番『ありえない』だ。


6つも下の、しかも隣人を、性的な目で見るなんて。

これじゃあ、自分はただの変態じゃないか。



良太郎はミサの体を強く揺すった。



「ミサさん。起きてください。ミサさん!」

「んはぁ」


気の抜けた、何だかよくわからない声を出し、ミサは寝惚けまなこでぼうっとする。

そして、少しの間を置き、



「榊はぁ?」


舌足らずに聞いてきた。



「榊さんはもう帰りました」

「あー、そ」


寝起きだからか、ミサはその後どうなったかなど聞こうともせず、「眠いぃ」と、また目を閉じようとした。


ここに朝までいられては敵わない。

良太郎は慌てて言った。



「ミサさん! ミサさん! ちょっと、ダメです!」

「うーん」


が、うなったミサは、すっかり夢の中に戻ってしまったらしい。

良太郎は諦めて肩を落とし、ミサに布団をかけてやって、寝室を出た。


ミサの我が儘さや横暴さには慣れているし、だから何でもないことなのだと、必死で自分に言い聞かす。

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