アイツに恋した私
私は、その場に座った。
「その前に、お前は勇気のちかくに居た女の事知ってんのか。」
勇気のちかくに居た女。
今でも覚えている。
あの時、その女の人に自然に作っていた笑顔。
「知ってるよ。」
「そうか、」
何…?知ってるの。太一は?
「その人、知ってるの?」
「うん。」
やっぱり…
勇気には居たんだ。そういう人。
なら言ってくれればよかったのに。
顔は笑っているのに、泣けてくる。
「違う。お前が思っている人じゃない。」
何?太一までかばうの…。
そうだよね。勇気と友達だもんね。
「違うって。」
私の気持ちを察したように話し始めた。
「何がよ!!!!!」
「何?最初から言えばいいじゃない。あの女は、勇気のか……―の……―っぐ……―じょ―…」
泣きたくないのに、涙が出てくる。