秋から冬への物語
「でも、何で西高なんて中途半端なとこ来たんだ?槙ならいろんな有名高から誘い来ただろ」

「……」


配られた大量のプリントを片付ける手を止めずに
宮間の話を背中で聞く。


──本当に最悪だ。

一番避けたい話題に、初日から思いきり首突っ込まれるなんて。


「ま、いいや。野球部行くんだろ?俺も今から」

「悪いけど、」


宮間の言葉を遮って
パチン、と鞄のフタを閉めた。


「俺、野球やめたから。」

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