秋から冬への物語
「しゅーうへいっ」

教室を出て廊下を歩いていると、突然後ろから誰かがぶつかってきた。

…振り返らなくてもわかる。


「カズ」

「帰ろうぜっ」


中学からの同級生、笹田一樹だ。

ま、腐れ縁ってやつで。


「なに、お前…待ってたの?」

「当然」


カズはにぃっと笑って、俺に歩調を合わせた。

その人懐っこい笑顔で
こいつは誰とでもすぐに打ち解ける事ができる。


「でもまさか秋平とクラス離れちゃうなんてなー。」

「しょうがないだろ、運なんだから」

「まあなぁ…あ、そういえばどうする?」

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