秋から冬への物語
カズはそう言って、窓から外を覗いた。

「下、すげー事になってるよ」

「どれ?」

俺も同じように外を覗くと


「うわ…」


玄関から校門まで人、人、人。


「剣道部入りませんかー!」

「星に興味ある人ー!」

「チアリーディング部でーす!」


それぞれの部がコスチュームを身に纏い、声を張り上げて下校する新入生にアピールする。

それは、何だか異様な光景だった。


「何あれ…勧誘?」

「すげーよな。大学みたい」


少々体格のいい男子が、まわし姿の相撲部に熱心に勧誘されているのが見えて
二人で笑った。
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