秋から冬への物語

「なぁ、あれ」

「ん…うん」


カズに教えられる前から本当は気付いてた
人混みの中でも一際目を引く、白いユニフォームの集団。


──野球部だ。


「秋平は正門から帰らない方がいんじゃね?絶対気付かれて声かけられるよ」

「……」

「もうやらないんだろ?野球」



少し泥のついたユニフォーム姿の部員に
昨夏までの自分の姿が重なる。
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