胡蝶泉(戯曲)
(姫)「分かりましたお母様」

若者と姫、上手に去る。
下手より戦いつかれた王子現れる。
剣は抜いたまま大きく息をしている。

(国王)「大息子よ」
(王女)「王子・・・・・」

王女、王子の下に駆け寄る。
王子、大きく息をつきながら、
「父上、もはやこれまで。蒙古の軍は十万を越える大軍で、
わずか数千の大理国が滅びるのは時間の問題だ。姫を、
早く姫を逃がしてやってくれ」

(王女)「もう姫は逃げました。あの若者とふたりで」
(王子)「そうか、それは良かった。なんとしてでも
生き延びてくれ・・・・・」

王子はここで息絶える。
背中に大きな矢が刺さっている。
国王、王女「王子!」

ふたり駆け寄り王子の体を支え抱く。

ー暗転ー
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