胡蝶泉(戯曲)

第四場 逃避行

闇の中で声が響く。
(女の子)「うまく逃げ延びて欲しいわ」
(仙人)「うまく逃げ延びて欲しいな」

(男の子)「何を言ってる。二人は反動右派分子だ。
人民の敵だ。早く掴まえて処刑しなければ、
我々人民が逆に殺されてしまう」

(仙人)「もうそういう時代は終わったのだ」
(女の子)「そうよそうよ。ふたりに何とか逃げ延びて欲しいわ」

暗闇の中スポットが当たり、上手より
若者と姫が逃げながら下手に消える。

スポットが当たり下手よりエリート
二人が逃げながら上手に消える。

明転ー若者と姫が上手より現れ泉の前で立ち止まる。
(若者)「ここまでくればもう大丈夫だろう」

若者、姫の手を取り泉を覗き込む。
(姫)「まあ、とてもきれいな泉だこと」

姫、水辺に降りて手で泉のの水をすくう。
(姫)「ねえ、見てみて。とても清らかで美しいわ」

姫、ひと飲みする。
(姫)「とてもおいしい!」

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