委員長の好きな人
気づいてしまったら、
もう後には引き返せない………
「武市君、私…」
武市君に腕を掴まれる。
「行かせないよ?ホントはね?加藤さんよりもずっと先に気づいてた。加藤さんが、菊地を好きな事。」
武市君は続けて話す。
「でも…でも俺、加藤さんの事が好きなんだ」
「え?」
「ずっと好きだった……」
真っ直ぐ見つめられたその瞳はすごく綺麗で、
心が揺れそうになった。
でもダメ。
もう遅いんだ……
この気持ちに気づいてしまった以上は、
武市君と真っ直ぐに向き合えない。