突然お嬢さま!?
吹く風がちょっと冷たい。

「寒くない?」
後ろから慎也に声を掛ける

「ん、大丈夫。やっぱりまずはパンダ見たいね」

「うん、パンダちゃんかわいかったよ」

またパンダが見れると思うとテンションが上がる♪


「人多いな」
お父さんが顔をしかめる。

「日曜日だし、パンダは人気だから仕方ないわよ」
涼子さんがお父さんの手を引いて、行列の最後尾に並ぶ。

私は車イスを押しながら、後に続いた。

「まあ、かわいい!」
涼子さんが目を輝かせる。

「動いた!今日もかわいい!慎也、見える?かわいいでしょう?」

「クスッ、見えるよ。うん、ぬいぐるみみたいにかわいいね」

お父さんはそんな私たちの様子を見て、微笑んでいた。


「次は慎也の好きなキリンにしましょう」
涼子さんがキリンの方に足を向ける。

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