突然お嬢さま!?
「はい、慎也の分」
売店で買った物を慎也に渡す。

「何?」
袋の中を覗く。

「パンダ?」
中から両手に納まる大きさのパンダのぬいぐるみを出した。

「そう、あたしのとお揃いだよ」
私も同じパンダのぬいぐるみを見せる。


「え~?俺、子どもじゃないんだけど?」

「まあ、いいじゃないの?かわいいパンダちゃんだから部屋に飾ったら?」
涼子さんが慎也の手からぬいぐるみを取り、頭を撫でた。



「さあ、帰ろう」
お父さんが車に乗る慎也を支える。

「父さん、会社に行きたい。ダメかな?」

会社?

何で?


「慎也の体が大丈夫なら別に構わないが…田所さんどうでしょう?」
みんなが一斉に田所さんを見る。

「今落ち着いているので大丈夫だと思います。一応先生に聞いてみますね」
少し離れたところで電話をする。


「先生からOKが出ました」
OKサインを出した。



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