突然お嬢さま!?
私たち一行は『カガミ商事』に到着。

私は初めて見る会社を見上げた。


「真那ちゃん、こっち」
涼子さんに呼ばれ、慌ててみんなの後を付いて中に入る。

日曜日なので人はほとんどいないけど、たまにすれ違う人は「ご苦労様です」とお父さんに頭を下げた。


お父さんが車イスを押して、エレベーターに乗り、最上階に行く。


社長室とドアプレートのある部屋に入る。


「父さん、椅子に座ってもいい?」
慎也が社長であるお父さんが座っていると思われる椅子を指差す。

お父さんは頷きながら、車イスを社長椅子の横に付けた。

慎也は社長椅子に座り、机に手を置いた。


「いつかここに座りたかった、この会社をもっと大きくするのが夢だった」
どこか一点を見ながら話す。

「俺が叶えられたかった夢を叶えてくれる?」
視線を私に移す。



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