突然お嬢さま!?
30分程走って、神社の駐車場に到着。
小さい神社は駐車場も小さいらしく5台しかスペースがない。

ちょうど出た車がいたので、そこに停めた。


小さくてかわいらしい神社。
境内までの道が意外に長い。

慣れない草履を履いているので足元に気を付けながら、そろりそろりと歩いた。


瀬尾先生が手を差し出した。
私は迷うことなく手を繋いだ。


参拝客が少なく、静かだった。

お賽銭を入れて、拝む。


『無事合格出来ますように』

『慎也に奇跡が起きますように』

『みんなが幸せになれますように』


目を開けて、顔をあげると瀬尾先生の顔が目の前にあった。

「長かったね。いくつお願いしたの?」

「3つだけよ、絞ったよ」

「3つも?」

「多い?」

「絵馬に書くのは1つにしなよ」


飾られている絵馬のほうを指差した。



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