突然お嬢さま!?
映画はサスペンスだったけど、恋愛要素も入っていておもしろかった。

観ている間、私たちはずっと手を繋いでいて、ハラハラするシーンでは手に力が入った。
賢人はそんな私を見て、優しく笑った。

今日の賢人は良く笑う。
その笑顔を見るたびに胸がときめく。


「パンフ買う?」
観終わって、グッズ売り場を覗いた。

そうだ、パンフレットを慎也のお土産にしようかな。

「うん、買う」

「待っていて」

賢人は2つ持って会計に行った。


「はい」
1つを私に渡す。

「ありがとう、はい、私の分」
お財布からお金を出す。

「いいよ、今日は俺に払わせて」
受け取らなかった。

ランチ代も映画のチケット代も全部払ってくれた。

「ありがとう」


「まだ時間あるよね?」





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