突然お嬢さま!?
シンプルだけど、綺麗だと思ったほうを指差した。

「うん、これにしよう」


私と賢人の薬指には真新しいペアリングが光っている。

帰りの車の中で光る指輪を見てはニヤニヤしていた。

「気に入った?」

「うん、ありがとう」

賢人の気持ちが嬉しい。

家の前で車を停めた。

「今日はありがとう」

「また夜にメールするよ」

「うん」

「あ、ちょっと」


降りようとドアに手を置いた時、反対側の腕を引っ張られた。

「ん?」


チュ。


振り向いた時、賢人の顔がすぐ目の前にあって、唇が軽く重なった。

ビックリして目が丸くなった。

「クスッ、またね」
賢人が優しい表情で、手を振った。

顔が熱くなった。


「うん」

車を降りてからもドキドキが続いていた。
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