突然お嬢さま!?
「真那姉の声が聞こえて、目が覚めた。ありがとう」

「慎也…」

「明日合格発表だよね、きっと大丈夫」

「うん、うん」
私は何度も頷いた。
こんな時でも慎也は気遣ってくれて、優しい。

涙が流れないようこらえた。


慎也はまた天井を見た。
息が苦しそう。


涼子さんも私もしっかりと手を握って、見守った。


医者が慎也を診る。
何も言わず、後ろに下がった。


時間が止まったように誰も動かなかった。


慎也の顔がゆっくりと私のほうへ動いた。
握りしめていた手に力を込めた。

「・・・・」

慎也が小さい声で何か言った。
聞き取れなかったので、慎也の顔に耳を近付けた。

「もう一度言って」

小さい声だったけど、聞き漏らさないようにしっかり聞いた。

「分かった、頑張るね」
私は慎也に答えた。

慎也はニッコリ笑って、頷いた。



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