突然お嬢さま!?
賢人と手を繋いで、外に出た。

「ケント~」
講堂の中から声が聞こえた。

「あ~やばい」
賢人が頭を掻く。

はあ~

呼ばれたほうを向いて溜め息を付く。


「俺、まだ片付けが少しあるから待っていてくれる?」
まだ終わってなかったんだ。

「うん、待ってる」

「近くのカフェでも行ってる?」

「ううん、さっきのベンチに座って本でも読んでる」

「急いで終わらせて来るから」
走って行った。


私は桜の木が見えるベンチに座った。

お天気が良くてポカポカしていて気持ちが良い。


本を開いたけど、全然進まない。

また桜の木を眺めた。


慎也が言った最後の言葉を思い出していた。


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