突然お嬢さま!?
慎也が小さい声で言った最後の言葉。


「お願い…夢を叶えて」


一度だけ慎也の部屋のソファーベッドで寝た。
いつもは涼子さんかお父さんが付き添っていたのだけど、私も慎也のそばにいたくてお願いした。

その夜も慎也は眠くないと言っていて、2人で朝方まで話をした。


慎也がお父さんの跡を継いで、社長になったらやりたいということを教えてくれた。

具体的なことばかりでビックリした。

有り得ないと思うものもあったけど、

「不可能なことじゃない」
慎也は言った。

難しいことだけど、不可能ではない。

「真那姉が可能にしてね」
簡単に言って笑った。


夢を語る慎也の瞳は輝いていた。

私は託された夢を叶えよう。
時間はかかるかもしれない。
でも、可能性がある限りチャレンジしよう。


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