突然お嬢さま!？
俯く慎也に向かって続ける。

「慎也だってまどかちゃんが好きなんでしょう？」

「好きだよ」

「だったら…」
気持ちに応えてあげたら…と言おうとした時

「だって、俺は死ぬんだよ！」
慎也が怒鳴った。
布団の上に置かれた握り拳が震えている。


びっくりした。
穏やかな慎也が怒鳴るなんて思いもしなかった。

言葉を失ってしまう。
慎也の握り拳の上に手を置き、慎也を見る。
泣きそうな顔している。

「俺…あとどれくらい生きられる？真那姉、俺の寿命知ってる？」

「えっ？」

「父さんも母さんも教えてくれないんだ…ただ大人になれないとしか…俺に残された時間はあと何年？何日？」
切ない表情の慎也と目が合う。

「あ、あたしも知らないの」
お父さんと涼子さんが伝えていないことを私が伝えることは出来ない。


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