突然お嬢さま!？
「さすが、調理師を目指していただけあると思うよ」
うん、うんと瀬尾先生は頷いた。

いつか自分のレストランを持つことを夢見ていた時もあった。


「いいの？ここで経済学を習うことで。まだそっちの道に行きたいんじゃないの？」
真剣な目で瀬尾先生が聞く。

「うん、いいの。お料理は趣味でも出来るし、いつか結婚して旦那さんと子供に美味しいものを作ってあげられたら十分だと思っているから」



「いつか結婚ね～どんな人と結婚するのだろうね？」

「フフッ、まだまだ先のことだけど」

「加賀見家のお嬢さんだからそれなりの家柄の人と結婚するのかな？」

「え？そうなの？」

結婚相手って自分で選べないのだろうか？
何だか不安になってきた。
普通に恋愛をして、普通に結婚したいと思ってた。

でも…

加賀見家の跡取りとなった今…
そうはいかないのかもしれない。

< 78 / 205 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop