突然お嬢さま!?
リビングで瀬尾先生と2人、コーヒーを飲んでいると慎也が入って来た。

「W大、どうだった?」

「ん~庭がきれいだったよ」
庭しか印象がないみたいだけど、ほんときれいだった。

「確かに庭に感動していたな」
瀬尾先生が笑う。

「いいな~俺も行ってみたい」
慎也がポツリと言う。


何て答えていいか…
一瞬言葉に困ってしまった。

「今度慎也くんも見学に行く?連れて行くよ」
瀬尾先生が答える。

「ぜひ、お願いします」
慎也が笑顔になった。

笑う慎也は本当にかわいい。


慎也のやりたいことを叶えてあげたい。
どんな小さなことでも力になってあげたい。

たった1人の弟のために…
私に出来ることは何だろう。


「そろそろ時間だから始めようか?」

瀬尾先生の呼びかけで部屋に行く。

< 84 / 205 >

この作品をシェア

pagetop