突然お嬢さま!?
また目が合う。
やばい、またドキドキしてきた。


「フッ」
瀬尾先生がまた笑う。

そして

手を離して
「俺が取るよ」
立ち上がって、クマを抱き抱えた。

「ここでいい?」
ベッドの端に置いた。

「うん、ありがとう」

「何、キョトンとしているの?」

瀬尾先生の動きをぼんやり眺めてしまっていた。



「さあ、始めようか?」

私もベッドから立ち上がり、机に向かう。

瀬尾先生はソファーでまた読書。

何だか集中出来ない。


「コラッ!手が止まっている」
瀬尾先生が読んでいた本で頭を叩かれた。

「いたっ」

「何で手を眺めていたの?」

さっき握られた手にまだぬくもりが残っているような気がして、つい眺めてしまっていた。


恥ずかしい。

< 98 / 205 >

この作品をシェア

pagetop