君に逢えたら
誰かを誘う。…といっても、心当たりは1つしかない。
「んー、じゃーどする??男子が良いからぁ…、やっぱ、…樹と隼飛しか居なくない?」
「…絶対言うと思ったぁ!」
たった1つの心当たりの、広瀬樹(ひろせ いつき)と都築隼飛(つづき はやと)のこと。私と美紗希の2つとない男友達。
元々、私たちの小学校は人数が少なく、6年間クラス替えがなかった。そのためか、クラスの団結力は強く、みんながみんな仲が良かった。そして小4の時に、たまたま席が近くなって以来、私たちはいっそう仲が深まっていって、気付かないうちに【特別な何か】に変わっていった。
この頃のあたし達は何も知らない、ただの、未熟者だった。
ただただ毎日が楽しくて…何でも出来る、って信じてた。
その代わり、早く大人になりたくて、でも、このままずっとこうしてたい、って思って。