君に逢えたら
「隼飛もOkらしーよ!」
美紗希は迷いなくOKサインを向けた。

 …美紗希は、小1の頃から隼飛に恋をしている。
クラスの中でも口数の少ない隼飛は、中のいい【友ダチ】にしか笑顔を見せないタイプ。けれど次第に私たちの中では心を開いてくれるようになり、美紗希は素直に喜んでいた。…つまり、隼飛は私たちを【友ダチ】と思ってくれてるってことだよね…?

 美紗希の恋心を知っていた私と樹は、しょっちゅう2人をくっつけようと試みた。…けれど、所詮12歳、2人とも意識しちゃってか、「やめてぇ!」って美紗希に阻止されちゃう。
 だから、今度こそは、うまく言って欲しい。そのために2人っきりにしてあげようかとか、作戦を立てているところ。

 ――その頃は、本当にくっついて欲しかったけど、やっぱただの12歳。やろうとしてることが子供でしかない。



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