君に逢えたら

花便り


 「…ぁああーーー!!あったぁぁー!…ね、ヤバイ、凄いんだけどッ」

 チャリで地区を回る事2時間。
 私と樹の家の近くにある、小さな公園に、それはあった。
 
 「…わぁーー!本当だあ!綺麗…!」あまりの凄さに一瞬言葉を無くすくらい。
「隼飛、ほら、あそこ!!あ、樹も!!」
「お、凄ぇなぁ…。」
「何で俺だけおまけみたいに言うわけ?酷くね??」

 何もない公園にあるのは、小さな池と、私たちが見とれてしまった、立派な桜の木。

 その桜の木は、堂々と真ん中に立ち尽くし、しかし静寂を保ちながらこちらをむいていた。




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