~境界線~君だけの声が聞きたくて
保健室の秘め事
「早くしろよ、置いてくぞ」
「急いでるってばっ!」
ローファーをはき家を出ると、不機嫌そうなレオが待っていた。
「お前って何でそんなに遅いの?」
「女の子は色々準備があるんですーっ!」
確かに遅かったかもしれないけど、ホントにちょっとだ。
こうゆう時A型って細かいんだよねー。
ムーっとほっぺを膨らむ私を見て、「本当ガキ」と呟いた。
そんなたわいもない話をしていたら、すぐに学校に着いた。
下駄箱で別れるレオの後ろ姿を見て、あぁ、離れたくないなぁと思う。
ふぅーっと溜息をはき、教室に向かう。
教室に向かう途中、階段の上にハル先輩が居て、こっちをじっと見ている。
今度は、はぁーっと溜息が漏れた。
階段を上がり、なるべくハル先輩を見ないように通り過ぎようとしたのだが、腕を掴まれた。
しまった、捕まった
「おはようございます、ハル先輩。」
「おはよう、美月チャン。昨日はどこに行ってたのかな?」
あっ…忘れてた!
昨日はレオと帰ったんだった
「別にいつも通り帰っただけですけど。」
私の言葉に不満があるらしく、一瞬眉間にシワ寄せ、私を見てニコーっと笑った。
「嘘は、いけないよ?」
胸がドキリとした。
なぜハル先輩は、私が嘘をついていると思ったんだろう。
「俺は男と二人で帰ってた、って聞いたけど?」
あぁ、知っててわざと聞いたんだ。
ハル先輩はこうゆう人って忘れてた
もうこれ以上は隠せないと思い、説明することにした。