~境界線~君だけの声が聞きたくて
黒髪男子
ーーーいつからだろう
レオが私を“お姉ちゃん”と呼ばなくなったのは
お姉ちゃん、と言って駆け寄ってくる弟のレオ。
淡い記憶でしかないけど、確かに私は覚えてる。
ーーーまだ幼かったあの頃の私達。
当時6年生だった私に2番目の新しいパパが出来た。
その時のパパの子供がレオだった。
レオは最初こそ人見知りだったが、話しているうちにすぐに打ち解けて、お姉ちゃんと私を呼ぶようになった。
甘えん坊だったらレオは凄く懐いてくれて、私もとても可愛がっていた。
気がついた時には“お姉ちゃん”ではなく“美月”と呼ばれる様になっていた。
レオも中学に上がった時には、もう、キョウダイじゃなくなっていた。