~境界線~君だけの声が聞きたくて

はぁ〜と朝から憂鬱な溜息が出た。



今日は入学式でレオと朝から言い合いをしていた。
入学式と言っても、「私」のではなく「レオ」のだ。




これから朝一緒に行くといきなり言い出したレオに対して、私は猛反対した。





「はぁ?バカじゃないの?」



「バカ?………‘‘兄弟’’なんだから当たり前だろ。」




やけに兄弟を強調したレオに、少しズキンと胸が痛みながらも拗ねたレオをほおって家を出た。




すこし言い方がキツかったかな?と思い、心の中でごめんね、と呟いた





「あっ、あの、美高高校ってこっちであってますか?」




話しかけられた方に目を向けると、全く着崩していない制服の男の子が立っていた。

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